総合型選抜(AO入試)合格者の、入学後の注意事項を説明します
総合型選抜(かつてのAO入試)で合格し入学した学生は、一般選抜で合格し入学した学生と比べると、気を付けてほしい点があります。
総合型選抜での出願を考えている方は、よろしければご覧ください。
おまけで、総合型選抜に多い面接の、やってはいけないポイントも少し書きました。個人的な意見ですが、こちらも合わせてどうぞ。
そもそも総合型選抜は、部活動や課外活動など、勉強以外で頑張った高校生が受験できるようにしている制度です。
これはこれでいいと思いますが、一つ大きな問題があります。
それは、大学は専門的な勉強をするところなので、学ぶための基礎学力が必要となる点です。
入学時には、高校で勉強する内容の学力が一般選抜の学生よりは求められない。
しかし、入学後は一般選抜の学生と同じく、高校で勉強する内容の学力が求められる。
このギャップがあるため、気を付けてほしい点が出てくるのです。
もちろん、総合型選抜であっても、大学入学共通テストのための勉強を課せられることもありますが、一般選抜の学生と比べたら、どうしても学力差が出ます。(そのための選抜方法ですからね)
そこで、本題の気を付けてほしい点ですが、一般選抜の学生と同じように遊んでいてはだめということです。
入学した時点では、一般選抜の学生と差があるため、周りが遊んでいるからと言って、自分も同じように遊んでいると、単位がなかなか取れずに苦労することになります。
もちろん、一般選抜で入学すれば遊べるという意味でもありませんので、誤解のないようにお願いします。
ちなみに、まったく遊ぶなというつもりはありません。
こちらの記事でも少し触れていますが、大学の友人は一生の宝となることも多く、自身の成長にもつながるため、大切にするべきです。
重要なことは、遊ぶときは遊ぶ、ただし学ぶときはしっかりと学ぶという、メリハリのある学生生活を送るということです。
たとえば、周りが授業を面倒でさぼっているからといって、自分もつられて同じことをしてはいけません。
反対に、総合型選抜で入学した学生は優秀という話を聞いたことがあるかもしれませんが、私が把握している限りでは、「自分は総合型選抜で入学しているから周りより勉強しなければならない」と考えている学生でした。
きちんと勉強をすれば、一般選抜の学生よりも、良い成績を取ることは十分可能です。
余談ですが、特に奨学金を申請する予定のある方は、本当に注意してください。
奨学金の種類によっては、大学での成績が悪いと止められることがあります。
これについては、一般選抜の学生も同じです。奨学金が止められて、授業料が払えず、退学するということのないように気を付けてください。
ここからは、面接を受験するにあたり、総合型選抜に多い面接の、やってはいけないポイントも少し触れていきます。
あくまで個人の意見ですので、参考程度にお願いします。
- 大学のアドミッション・ポリシーに固執しすぎない
高校生のみなさんは、現在通っている高校が掲げている教育理念を知っていますか?
また、教育理念に納得したから、志望校に選びましたか?
おそらく、知らない方が大多数なのではないかと思います。
各大学はアドミッション・ポリシーを掲げていますが、その一方で、高校生がアドミッション・ポリシーを重要視しているとも思っていません。
入学した新入生に聞いても、アドミッション・ポリシーの存在すら知らない学生が大半ですからね。
ですので、志望理由を尋ねたときに、アドミッション・ポリシーに書いてあるような学生になりたいと言われても、疑われます。
本当にアドミッション・ポリシーに感銘を受けたなどの理由であれば別ですが、入学後に○○の勉強をしたいからなど、素直な志望理由をきちんと説明したほうが良いです。
ちなみに、志望理由書も同じで、アドミッション・ポリシーをコピーして貼り付けたようなものは、評価が上がりにくいです。
- 受験先の大学をよく調べる
入学後に学ぶことができない分野を、入学後に学びたいと言う受験生が、意外なことに多いです。
多いのは、学科が違う(もっと最適な学科がある、そもそも学べる学科が存在しない)というものです。
一例を挙げると、経済学科に出願して、経営を学びたいといったものです。
経済学と経営学は似ているようですが、実は全く異なるので、大学によっては、経済学部や経済学科では経営学を教えることができません。
以前、「○○大学経済学部は授業で簿記3級レベルを教えている」という理由で、バカにしたような意見を目にしましたが、○○大学を調べたところ、経営学の先生は一人もいませんでした。
ネットでも間違った意見はよくあるので、気を付けましょう。
また、大学としても、これでは合格を出せなくなります。
学生の希望を教えることができないので、無責任に入学させることができないためです。
サッカー部の入部テストで、甲子園を目指してると言われたら、どれだけテストの結果が良くても、入部させられないのと同じです。
いずれにしても、学びたいことが入学後に学べなければ、自分自身が悩むことになります。
よくよく調べてから、出願しましょう。
総合型選抜は、残念ながら、
楽して受験したいから
合格できるのであれば何でもいい
といった理由で出願する受験生がいます。
しかし、そのような受験生は大学側も警戒しますし、たとえ入学できても、入学後に苦労することになります。
どのような選抜方法であれ、いずれは勉強することになりますので、自分に合った選抜で出願しましょう。
私の知人の話ですが、「楽して受験したい」という理由で、当時のAO入試で合格し、入学した人がいました。
ところが、基礎学力もなければ、勉強する気もなかったので、入学後に単位が取れず、2回も留年することになり、6年で卒業しました。
結局、在学中に就職先も決まらず、進路未定のまま卒業していきました。
この記事をお読みいただいた方は、このようなことがないように願うばかりです。
反対に、総合型選抜は、学力が足りなくてもやる気のある学生は、大歓迎されます。
大学入学後に学びたいことが明確にあるが、高校時代は部活などの事情があって勉強する時間が確保できなかった。
でも入学後は真剣に勉強したい。
このような方は、その熱意を存分に面接でアピールしてください。面接の先生に熱意が伝われば、合格です。
ただし、最低限の学力は求められるので、勉強も忘れずにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。